日本語クイズ(1)

1)太字部分は誤用です。正しい言い方に直してください。

1. ただいま先生がおっしゃられたように…
2. では、一曲歌わさせていただきます。
3. たいへんお待たせをいたしました
4. 先生はもうお帰りになられました
5. 先生、X先生にお会いされたそうですね。お元気でございましたか
6.「ここで事件があったことをご存じですか」「いいえ、存じ上げません
7. 彼がやっとプロポーズしてくれたんです。もちろん一つ返事でOKしました。
8. それは違くて、これが正しい。

2)正しい表記は a と b のどちらですか。金武伸弥『王道日本語ドリル』(集英社新書、2008年)より
1. a. こんにちは。 b. こんにちわ。
2. a. 来るは来るは、人が大勢来ます。 b. 来るわ来るわ、人が大勢来ます。
3. a. 要旨は次のとうりです。 b. 要旨は次のとおりです。
4. a. お待ちどうさま。 b. お待ちどおさま。
5. a. こぢんまりとした店。 b. こじんまりとした店 (片方も許容されている)
6. a. 力ずくで抑えられた。 b. 力づくで抑えられた。(片方も許容されている)
7. a. 子供が「おうさまは裸だ」と言った。 b. 子供が「おおさまは裸だ」と言った。
8. a. おうぎを持って舞います。 b. おおぎを持って舞います。
9. a. おうせに従います。 b. おおせに従います。
10. a. おうむ返しに言う。  b. おおむ返しに言う。

3)太字部分は、アナウンサー、講演者等の言い間違い、勘違い、原稿の読み間違いの実例です。意味を考え、正しい漢字表記にしてください。

1. 大型連休初日の今日、大勢の人が成田からシュツゴクしました。
2. このに及んで、まだそんなことを言っているのですか。
3. 三大シツビョウ、すなわち、癌、急性心筋梗塞、脳卒中は、毎日の生活習慣で予防できると言われています。
4. この町には江戸時代のナノコリをとどめる地区があり、絶好の散策場所になっている。
5. 高校生にもなって、もののヨシワルシの区別がつかないなんて、実に嘆かわしい。
6. このたび、ジジカイの会長を仰せつかりました。
7. 人生は順風マンポに見えたのだが…。
8. お茶にしましょうか。ちょっとキュウユ室に行ってきます。
9. 多くの方々にごジンリキいただきまして…。
10. このコンジュンとした世の中で…。
11. 規則はソンシュすべきです。

4)【  】の表現を正しく用いているのは aですか、bですか。
1.【足を洗う】
a. 政治の世界から足を洗ったら、ぜひ農業をやりたいと思っているんです。
b. 人を騙して儲けるような仕事から足を洗って、一からやり直したい。
2.【敷居が高い】
a. あの家はちょっと敷居が高くて…。若いころ、あそこのご主人に物心両面から援助してもらったんだけど、亡くなったとき、なんとなく面倒くさくてお葬式に行かなかったもので。
b. 一等地に店を構える高級ブランド店に一度入ってみたいと思うけれど、庶民の私には敷居が高い。
3.【すべからく】
a. もろもろの目標をすべからく達成することができ、満足している。
b. いったん目標を定めたら、それを達成するために、すべからく努力すべし。
4.【破天荒】
a. 一見温厚そうな紳士だが、取り巻きを引き連れて飲みに行き一晩で百万円以上使うとか、一度ならず暴力事件を起こして警察沙汰になるなど、破天荒な人だった。
b. パリ・東京間を2時間半で結ぶ旅客機を2050年に就航させるというエアバス・グループの計画は、まさに破天荒の試みと言えよう。
5.【やおら】
a. 彼は堪忍袋の緒が切れたとばかりにやおら立ち上がり、一気にまくし立てた。
b. 彼は落ち着いた様子でやおら立ち上がり、一礼してから静かに話し始めた。
6.【煮詰まる】
a. 長い間検討してきた計画がやっと煮詰まった。これで一安心だ。
b. よいメロディーが浮かばず、曲作りに煮詰まる。そんなときの気分転換は料理だ。
7.【耳ざわり】
a. あの人の声は甲高くて耳ざわりだ。
b. あの人の声は優しく柔らかで、本当に耳ざわりがいい。
8.【耳が痛い】
a. 記者らが、数年前に起きた事務所の不祥事についても尋ねたが、大臣はそうした耳の痛い質問にも丁寧に答えていた。
b. 「テレビで一人暮らしの女性の“ゴミ屋敷”を見たんだけど、足の踏み場もない部屋の中にスナック菓子の袋がいっぱい。まず掃除して、それからダイエットもしなくちゃダメだね」「掃除とダイエット。うわっ、耳が痛い」

5)次の文を漢字仮名交じり文にして、句読点(「。」と「、」)をつけてください。石黒圭・筒井千絵『留学生のための文章表現のルール』(スリーエーネットワーク、2009年)より

はつかごぜんじゅうじごろとうきょうとしんじゅくくしんじゅくさんちょうめいんしょくてんけいえいおおやまゆみさん(ごじっさい)かたからしゅっかもくぞうにかいだてじゅうたくやくひゃくにじゅうへいほうめーとるがぜんしょうしたおおやさんとかぞくはにげだしてぶじしんじゅくしょがげんざいしゅっかげんいんをしらべている

6)味見したいときの言い方として、正しいのはどれですか。
a. 私にも少し味あわせてください。
b. 私にも少し味わせてください。
c. 私にも少し味わわせてください。
d. 私にも少し味あわさせてください。

7)「こちゃこちゃんないまっ」
ある場所で、ある人が私に言った言葉です。漢字仮名交じり文にしてください。

作成者: マチルダ

マチルダこと野口恵子です。昭和27年(1952年)11月に愛知県瀬戸市で生まれ、東京で育ちました。現在は埼玉県在住。日本語とフランス語を教えています。著書に、『かなり気がかりな日本語』(集英社新書)、『バカ丁寧化する日本語』『失礼な敬語』『「ほぼほぼ」「いまいま」?! クイズおかしな日本語』(以上光文社新書)などがあります。このブログでは主として日本語の敬語について書いていますが、それ以外の話題に及ぶこともあります。どうぞよろしくお願いいたします。

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